「 越中福岡の菅笠製作技術保存会 」 活動方針 「菅笠」は、長く日本人の日常生活の中に溶け込み「日本の伝統文化」を物語る道具のひとつです。 「どのように 軽く見えても 皆人の 下には置かぬ 加賀の菅笠」 これは、文久3年(1863)に加賀藩13代藩主前田斉泰が14代将軍徳川家茂に従い上洛した際に、京の都で詠まれた川柳です。殿様が菅笠に例えられる程全国に「加賀笠」が知られていたわけですが、その主要産地が越中福岡でした。藩政期以来の由緒と伝統を持つ菅笠づくりは、福岡の歴史そのものです。 |
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越中福岡は、日本で唯一、菅田から問屋まで、一貫した生産技術体系を保持している地域です。しかし、菅笠づくりは、分業化した各工程が相互依存する形で成り立っており、途中の一工程が立ち行かなくなっただけで、生産機能が停止する恐れを有しています。 このような状況下、この菅笠を産業面だけでなく、文化面での価値を高めつつ菅笠製作技術の保存継承対策を講じていくことが緊急の課題となっております。 このことから、当保存会は、「技術の継承と振興」を目的とし、菅笠づくりの環境を発展させ、その発展が継承者を育てるという、持続的な菅笠生産体系の構築を目指していきます。 越中福岡の菅笠を守り伝えるため、菅笠づくりに携わる者が一丸となり日本の菅笠を次世代につなぐ活動を進めていきます。 |
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令和3年7月 越中福岡の菅笠製作技術保存会 会 長 村本 孝義 |
主 な 活 動 内 容 ・ 菅笠製作(笠骨づくり・笠縫い)に関する技術後継者育成。 ・ 菅笠づくり体験教室の実施、参加者勧誘。 ・ 保存会加入の普及啓発活動・勧誘。 ・ 「越中福岡の菅笠製作技術保存会通信」の発行。 ・ 展示会での出品・実演・参加。 ・ 菅笠に関するPR活動(菅笠に関するポスター・パネルの作成等)。 ・ スゲ草生産者・生産地の実態調査、スゲ田調査。 ・ スゲ草栽培推進事業に関する事。 |
後継者育成「笠骨職人育成事業」 |
菅笠づくり後継者育成講座「笠縫い」 |
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ミニ菅笠づくり体験指導 (高岡地域地場産業センター ZIBA) |
笠縫い実演 (さんちょんぴん蔵) |
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福岡小学校5年生「あるこう ふくおかの街・菅笠の歴史や技術継承の大切さを学ぶ」 11月16日(木)福岡小学校5年生が、高岡市福岡支所4階会議室で、菅笠について村本孝義会長の講義を聴講し、併せて1階の菅笠展示コーナーと3階大会議室で行われている笠縫い講座を見学しました。 展示した花笠を手に取り、菅笠音頭を口ずさみながら踊りが始まったり、どれが似合うか被り相子をしたり…。ほほえましい光景を見ることが出来ました。 村本会長の講義では、菅笠作りの最盛期の幕末にどのくらいの人数が菅笠を作っていたのかを、おおよその生産量から皆で計算をしたりしました。 3階大会議室で行われた笠縫い講座の見学では、受講生が笠縫いの工程を詳しく説明してくれました。 1階菅笠展示コーナーでは、小学校の先生が作成した「菅笠ミッションカード」の問題を解くべく、展示パネルを隅々まで読んで答えを探していました。宝さがしをしているようで、とても楽しく学んでいる様子でした。 見学にご協力下さいました笠縫い講座講師の橋本レイ子さん、茂古沼真知子さん、松平カヅミさん、受講生の皆様、ありがとうございました。 |
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村本孝義会長が、菅笠の歴史などについて詳しく説明しました。 |
講義後は質問が飛び交いました。 「好きな菅笠は何ですか?」という質問で、村本会長は、「三度笠です!」と即答♪ ちなみに事務局員のオシ菅笠は…胴深笠です。 |
村本会長の講義を聞いて、一生懸命メモをとる様子。菅笠の良さなどが書かれていました。 |
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1階菅笠展示コーナーでは、笠縫い講座講師の茂古沼真知子さんに、笠縫い実演をしていただきました。 |
世界で2番目に大きい菅笠は、映えスポットです! →小学校の先生が作成した「菅笠ミッションカード」の問題を解く子供達。 事務局員も一緒にチャレンジしてみました♪ |
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3階大会議室では、笠縫い講座を見学しました。 自宅の横で菅を栽培している受講生が、秋に植え付けた菅田の写真を見せながら、菅草について説明してくれました。 |
菅笠はどのくらいの時間で完成しますか? 難しい工程は何ですか? 子供達からたくさんの質問に答えてくださいました講師と受講生の皆様、ありがとうございました。 |
11月も半ばというのに半袖!? たくましい! |
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「どの菅笠が似合う?」 どれも、似合ってます! |
菅笠の仕組みを研究しています。 |
次郎長笠とキュートな二人。顔が小さくで羨ましいです。 |
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令和5年度リメンバー笠縫い講座 笠縫い講座修了生と受講歴がある方を対象とした「リメンバー笠縫い講座」を、11月16日(木)・17日(金)に、高岡市福岡支所3階大会議室で行いました。 今年度も修了生のご要望にお答えして、胴深笠や一文字笠などを被る時に使う「丸輪作り」を、松平カヅミさんから学びました。 ヨリコ菅をわら縄に巻いて作る丸輪。菅草の扱いに慣れている笠縫い講座修了生は、2個目、3個目と丸輪作りを挑戦していました。 菅笠作りだけではなく、丸輪を作る職人の高齢化が課題となっているので、後継者育成に繋がる良い機会になりました。 令和6年度も開講予定ですので、皆さんにお会いできるのを楽しみにしております! |
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今年度も「菅笠づくり後継者育成講座 笠縫い(高岡市主催)」との合同講座でした。 |
リメンバー笠縫い講座で久しぶりに会う仲間と、菅笠の情報交換。皆笑顔です♪ |
丸輪の材料…わら縄1本、い草縄2本、布ガムテープ、ヨリコ菅数本。 |
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笠縫いも楽しいけど、丸輪作りも楽しい! |
講師:松平カヅミさん(写真中央) 菅笠づくり後継者育成講座 笠縫いの現役生徒も、丸輪作りを体験しました。 |
わら縄にヨリコ菅を巻き付けて完成! |
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ふくおか産業フェスティバル 菅笠ワークショップ・ミニ菅笠を作ろう!&菅笠即売会 ふくおか産業フェスティバルが11月3日(金・祝)に開催され、菅笠ブースでは「菅笠ワークショップ ミニ菅笠を作ろう!」を行いました。 天候に恵まれ、なんと最高気温が27℃を超える中、お子様に大人気の「はたらく車」の展示や、小学生による駄菓子屋チャレンジショップ、新鮮野菜の販売など多くの来場者が福岡支所前広場に訪れました。 菅笠ブースも大盛況で、5歳のお子様から70代の参加者31名が、ミニ菅笠づくりを楽しみました。 ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。 |
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福岡支所 1階の菅笠展示コーナーにて、10時~15時までミニ菅笠づくり体験を行いました。 |
ミニ菅笠づくり体験講師:橋本レイ子さん(写真右)、佐野智賀子さん(写真左) |
ミニ菅笠づくり体験講師:茂古沼真知子さん(写真中央) |
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ミニ菅笠づくり体験講師:吉井勝美さん(写真左) |
上手に縫えました! ストラップを長くして、被ってくれる参加者もいました。とってもお似合い♥ |
参加者から素敵な写真を頂きました! 機動戦士ガンダム 高機動型ザクⅡ シン・マツナガ機に縫い上げたミニ菅笠を被せた一枚♪ とっても楽しかったので、また参加したいです!と嬉しいお言葉もいただきました。 |
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菅笠即売会では、菅笠づくり後継者育成講座 笠縫いの受講生と講師が縫った菅笠を販売しました。天気が良かったので、午前中は屋外で販売しました。 |
午後からの菅笠販売は、屋内で行いました。 福岡小学校の児童が菅笠を手に取ると、越中菅笠音頭の踊りが始まり、器用に菅笠を回します。福岡町アルアルです♪ |
物販ブースでは、カラフルなタープが並びました。 |
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福岡支所3階からの南玄関前駐車場の風景。はたらく車が集まり、小さなお子様に大人気でした。 |
高岡市福岡公民館出店の「子ども だがし屋 チャレンジショップ」の SMILE☆HAPPY ハロウィンパーティ おかしランド 3店舗。 お昼休憩に買いに行ったら、売り切れ!すごい! |
だがし屋 おかしランドのお二人の、手書きのチラシを見せていただきました。♪ 売上高・利益№1だったそうです。 |
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福岡町つくりもんまつり協賛行事 菅笠ワークショップ・ミニ菅笠を作ろう! 野菜や草花を利用し、見立て細工を飾る「福岡町つくりもんまつり」の開催に併せて、9月24日(日)福岡にぎわい交流館1階で「菅笠ワークショップ ミニ菅笠を作ろう!」を行いました。 参加した60代の女性が「笠縫いを習ってみたい」と意欲的で、早速連絡先を交換。ワークショップを通して菅笠や菅笠づくりに興味を持って下さる方が増え、本当に嬉しいです。 ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。 |
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5歳から80代の、21名が参加しました。 |
家庭科が好きな中学生男子。とっても器用に縫い進めていました。 ミニ菅笠づくり講師:橋本レイ子さん(写真右)、吉井勝美さん(写真左) |
笠縫い講座受講生さん(写真左)が参加してくれました。講師の佐野智賀子さん(写真右)は、講座の修了生。 現役受講生と修了生の交流ができ、貴重な経験となりました。 |
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初めて針を持つお子様や、手芸が得意な方など、老若男女問わずミニ菅笠作りに参加してくださいました。 出来上がったミニ菅笠をペンダントにしたり、バッグに付けたりして楽しんでいました。 |
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300年の歴史を持つ「つくりもんまつり」。 趣向を凝らした作品番号の案内は、菅笠を被った提灯です。 富山県内外から9万人の来場者が訪れました。 |
越中福岡名物「つくりもん焼き」 つくりもんをテーマに、レンコン・かぼちゃ・白菜・ナス・トウモロコシをゆるキャラ風にデザインした焼き菓子です。 御愛用のヘルメット笠を被って販売する、ウエルカム福岡の吉田社長。 ロゴの隣でニッコリしているかわいいキャラクターも菅笠を被っていました。 |
特設ステージ向かいのまちづくり福岡工房 いっぷく処の壁に、かさぼんこを発見! 高岡市商工会女性部福岡支部の有志8名が、まつりを盛り上げようとあんどんを制作。つくりもんに使われる野菜や草花、菅笠保存会キャラクターのかさぼんこを、水彩絵の具で描きました。 とってもかわいい! |
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菅笠ワークショップ・菅笠づくり実演 高岡御車山祭開催に併せて、5月1日(月)山町ヴァレーで「菅笠ワークショップ・菅笠作り実演」を行いました。 菅笠ワークショップではミニ菅笠作りを15名、兜笠作りを3名が体験しました。 菅笠作り実演では、高岡御車山祭には欠かせない「一文字笠」の笠骨作りと笠縫いを行いました。 笠骨作りが気になる6歳の女の子は、約30分間菅笠作り職人の中山孝志さんと菅笠談義。長さ15cm程の中骨を特別に作ってプレゼントしたら、大喜びで大事そうに持っていました。 高岡御車山祭当日の5月1日は、高岡市内の小中学校が「高岡の歴史文化に親しむ日」として休校のため、大勢の方に菅笠に触れていただく機会となりました。ご来場ありがとうございました。 |
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小伝馬町の「山町ヴァレー」で、菅笠ワークショップ・菅笠作り実演行いました。 ※山町ヴァレー…昭和4(1929)年に北陸初の木造3階建ての洋館として改修された歴史的建造物をリノベーションし、複合商業施設として平成29(2017)年春にオープンしました。 |
晴天に恵まれ、高岡の金工・漆工等の優れた工芸技術の装飾が車輪や高欄、長押等に施された日本屈指の華やかな山車7基が4年ぶりに巡行しました。 木舟町の鉾留は胡蝶。高岡漆器の名工、辻丹甫の作といわれる高欄や工芸品は目をみはります。 |
山車の前後左右を一文字笠を被り、麻裃に身を固めた山役員が伴って、ゆっくり巡行されました。 この一文字笠は、越中福岡で製作された菅笠です♪ |
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ミニ菅笠作り講師:茂古沼真知子さん(写真左)、菊地裕美さん(写真右)。 |
ミニ菅笠作り体験 縫い針を使うのは初めてとのことでしたが、とっても上手に縫えました♪ |
ミニ菅笠作り体験 15名が体験しました。 |
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ミニ菅笠作り体験 |
ミニ菅笠作り体験 |
会場の山町ヴァレーには大きなガラスの壁面があります。壁沿いに、ノズケ作業まで行ったミニ菅笠作り体験キットを並べてみました。 |
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菅笠作り実演 高岡御車山祭に併せて、麻裃に身を固めた山役員が被る「一文字笠」作りと、笠骨と菅笠を展示しました。 |
菅笠作り実演 笠縫い実演:橋本レイ子さん(写真左) 「何をしているの?」 「長い針を使って菅を縫っているんだよ。」 多くの来場者に、400年続く製作技術を間近で見て頂けました。 |
菅笠作り実演 笠骨づくり:中山孝志さん(写真左) 力作の兜笠を被って、一文字笠の中骨作りを見学♪ |
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兜笠作り体験 菅笠ペーパーに、中骨をイメージした金や銀のマスキングテープを貼り、兜の装飾物の鍬形や吹返しを厚紙を使ってあしらいました。 |
兜笠作り体験 講師:中山有希子さん(写真右) |
兜笠作り体験 赤色の吹返しがカッコイイ! |
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兜笠づくり体験 丸い厚紙の中を四角く切り抜き…。もしやこれは六文銭!?戦国武将の真田幸村の兜をイメージした兜笠の完成です! |
兜笠を被って、高岡御車山祭を堪能♪ 通町の鉾留は鳥兜。中央の唐子人形がでんぐり返しを行うのが見どころです。 |
ミニ菅笠作りを体験されたお客様の、ねんどろいど「刀剣乱舞-ONLINE」孤高の刀剣男士 大倶利伽羅に、ミニ菅笠を被せて記念撮影! 手のひらサイズのデフォルメキャラにピッタリのミニ菅笠。とっても似合っています! |
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勝興寺国宝記念「伏木観光まつり」菅笠作り実演 & 菅笠・菅細工販売 4月23日(日)、勝興寺国宝記念「伏木観光まつり」が勝興寺及び周辺で開催され、菅笠保存会&越中福岡の菅笠振興会ブースでは「菅笠づくり実演」と「菅笠・菅細工販売」を行いました。 風が春から初夏の香りを運んでくるのを感じる中、園児による白象曳きから「伏木観光まつり」がスタート。 菅笠づくり実演を見学した来場者は、「編んでいるのだと思っていた」「昔、親が笠を縫っていた。しかけ作業の手伝いをしたことがある」「被ってみたい」と、菅笠づくりに興味津々でした。 販売コーナーでは、越中福岡の菅笠振興会の染めスゲを使った新商品のカラフルな豆笠と、丸帽子が「かわいい~♪」と大好評。菅笠保存会の菅笠づくり後継者育成事業で受講生と講師が製作した菅笠は、ヘルメット笠が大人気でした。購入された皆さんは、菅笠を被って伏木観光まつりを楽しんでおられました。 今回の出展に伴い、伏木と菅笠の関係についてまとめたものを展示しました。富山県統計書の明治17年の資料には、伏木港から輸出された「菅笠」の輸出額が、第4位!ちなみに第1位は米、2位 売薬、3位 銅器でした。輸出数は約135万枚。原価が53,500円で、現在のお金に換算すると約10億円!!!!! 当時の礪波地方の菅笠製造及び製造高が約190万枚なので、そのほとんどが伏木港から各地へ輸出されていたと思われます。 高岡開町370年 市政90周年記念写真集には、伏木名物のひとつの港の輸出入貨物の出入荷役に従事した「女仲士」が、菅笠を被って荷物を運ぶ写真が掲載されています。この写真集は高岡市立図書館で借りることができますし、高岡市伏木北前船資料館には写真が展示されていますので、ご興味のある方は是非御覧ください。 |
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国宝勝興寺と菅笠! 伝統の技のコラボが実現しました。 ※令和4年12月12日に「本堂」と「大広間及び式台」が国宝に指定されました。 ※富山県内で初めて1997年に国宝に指定された高岡市の瑞龍寺(仏殿、法堂、山門)に続き、25年ぶりの国宝が誕生しました。 |
1998年から23年かけて実施された「平成の大修理」によって、本堂や大広間、式台をはじめとする12の建造物が、江戸後期の姿を蘇らせました。 勝興寺に伝わる七不思議!1実ならずの銀杏、2天から降った石、3水の涸れない池、4屋根を支える猿、5魔除の柱、6雲龍の硯、7三葉の松。菅笠ブースは、三葉の松の向いでした。 |
菅細工「豆笠」と「丸皿」は、越中福岡の菅笠振興会の新商品。「豆笠」はペンダントやキーホルダー、壁飾りとして、「丸皿」は菓子器としてご利用いただけます。 |
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笠縫い実演:茂古沼真知子さん(写真手前) 一針ずつ縫っているところを説明しています。 |
笠骨づくり実演:中山有希子さん(写真左) 「軽い!」 来場された皆さんが、菅笠を手にしたときの驚きの声です。 |
お買い上げ頂いた菅笠(菅笠保存会販売)の収益で、新しい展示菅笠を購入し「菅笠製作技術」の周知普及に活用いたします。 |
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晴天に恵まれイベント日和になり、大勢の方に菅笠づくりを見ていただくことができました。 ご来場ありがとうございました。 |
テレビ局の取材がありました。 FNNプライムオンライン |
菅笠ブースのすぐそばは、キッチンカーや飲食コーナー。おいしい匂いが風に乗って流れてきました♪ |
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ピンチ!女竹が手に入らない・・・ 菅笠の骨組みになる笠骨は竹で作ります。外輪骨と小輪骨には太くて丈夫なカラ竹や孟宗竹を、中骨には節間が長く加工のしやすい女竹を使用します。 笠骨づくり職人育成事業や笠骨づくり講座に使用する竹は、講師が事前に準備してくださいます。 在庫する女竹が少なくなってきたので注文をしたら、「女竹を切る職人不足で、入荷はいつになるのか分からない」と言われて困っていると、講師から相談がありました。女竹の代用として、スス竹を使用してみましたが、折れやすいので作業効率がとても悪く、このままでは笠骨を作ることができなくなってしまいます。 2月7日(火)に行われた理事会で、女竹の安定供給の対策を協議した結果、2月28日(火)に、村本孝義会長、中山孝志理事、事務局2名が石川県金沢市にある竹材店へ視察に行くことになりました。 「九州地方から節の長さ50㎝程の女竹を仕入れることができそう。全国的に竹を切る職人が高齢化によって減っており、後継者不足です。」と、竹材店の社長さんがおっしゃていました。 菅笠づくり職人、竹を切る職人、どちらも後継者不足です。関係各所だけでなく様々な所と連携し、問題解決に向けて前進していけたらと思います。 |
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笠骨づくり職人育成講師の中嶋尋之さんの工房(竹の保管) 左の緑色の太い竹が、外輪骨用のカラ竹、右の細い竹が、中骨用の女竹です。 |
笠骨づくり職人育成の工房。 令和4年度の受講生は2名です。 |
菅笠づくり後継者育成講座「笠骨づくり講座」。 令和4年度より、長い竹を割るところから習得しています。 |
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令和4年度 「菅田づくり体験講座」 令和2年度から始まった「菅田づくり体験講座」は、中山孝志さんが管理する菅田で、菅田づくりに興味のある方や、菅笠づくり後継者育成講座の受講生を対象に、年に4回実施しています。(講師:中山孝志さん、中山有希子さん) 第1回目の芽かき(間引き)は、5月11日(水)・14日(土)の昼過ぎから行いました。今年度も菅の背丈がひざ丈程度あり、常に前屈姿勢で余分な菅を抜き取る芽かきは、腰に負担がかかりました。 第2回目の刈り取りと菅干しは、7月29日(金)・31日(日)、8月21日(日)の早朝から行いました。休憩をはさみながら約2時間、刈り取り作業を行い、刈り取った菅を干し場(新生苑グラウンド)に移動して菅干しを体験しました。 第3回目は9月21日(水)・26日(月)に、苗取りを行いました。今年度は雨の後だっため、例年よりも簡単に苗を抜き取るとこができました。 第4回目の苗植えは10月4日(火)に行いました。コロガシで植える目印を付け、斜め45度の角度で1本ずつ植えました。 体験に参加した方から、「こんなに大変な思いをして菅を作っているのか」「菅を作るのは大変」という感想をいただきました。菅田づくり・菅笠づくりは、どの工程も手作業で大変ですが、400年前から続く菅笠づくりを次の世代に守り伝えていくため、これからも「菅田づくり体験」「菅笠づくり後継者育成講座」を予定しています。興味のある方は、お気軽に菅笠保存会までご連絡ください♪ |
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・第1回 芽かき体験(計5名参加) | ||||||||||
1本1本の菅を太く、背を高く育てるために、1株につきしっかりした太い菅を3本残して、それ以外の菅を抜き取ります。 ← マイ菅笠をお持ちでない方に、菅笠を貸し出しています。 富士笠、角笠、胴深笠…どの菅笠を被って芽かき作業をしようかな♪ |
初めて菅田づくり体験に参加した方から、また参加したい!と前向きな感想をいただきました! |
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・第2回 刈り取り・菅干し体験(計4名参加) | ||||||||||
菅の葉はノコギリの歯の様になっているため、葉先から根本に向けて触れると手や腕、顔が切れてしまいます。 怪我防止のため、長そで・長ズボン・長靴・マスクのフル装備で、刈り取りを行います。 → 刈り取った菅は、バケツに入れて根を揃えます。 |
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乾燥と脱色のために、10日間ほど菅干しをします。 |
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・第3回 苗取り体験(計3名参加) | ||||||||||
1)根を残して抜く 2)細すぎない苗を選ぶ 3)抜けない菅にこだわらない この3点を意識して、苗取り作業を行いました。 |
菅の根を揃えて10本ずつ山にし、200本で1束にします。 |
抜いた苗を用水まで運び、根を浸して菅の植え付けまで保存します。 |
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・第4回 植え付け体験(計1名参加) | ||||||||||
コロガシで植える目印付けます。 ← 用水に浸してあった菅苗を、根から約30cmの長さで切り落とします。 |
手首が田んぼに入るくらいの深さで菅苗を植えます。 |
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